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COLUMNコラム

2025.08.27

【徹底比較】大規模修繕工事の「管理会社方式」とは?メリット・デメリットと賢い選択のポイント

【徹底比較】大規模修繕工事の「管理会社方式」とは?メリット・デメリットと賢い選択のポイント

マンションの将来を左右する、大規模修繕工事。その計画を進める上で、管理組合が最初に直面するのが「どの方式でプロジェクトを進めるか」という重要な選択です。

様々な方式がありますが、最も身近で多くの管理組合が検討するのが「管理会社方式」ではないでしょうか。

「いつもお世話になっている管理会社に任せれば安心?」
「費用は割高になるって本当?」
「他の方式と何が違うの?」

この記事では、そんな疑問をお持ちの理事・修繕委員の皆様のために、「管理会社方式」の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして採用する際の注意点まで、専門的な視点から公平に、そして分かりやすく解説します。

大きく分けると施工方式には以下があります。

  • 管理会社施工方式: 管理会社が窓口となるシンプルな体制
  • 設計監理方式  : 設計事務所が第三者として監理する体制
  • 責任施工方式  : 管理組合が施工会社と直接契約する体制

 

大規模修繕工事の「管理会社方式」とは?

管理会社方式とは、マンションの日常管理を委託している管理会社が主導となり、大規模修繕工事のコンサルティングから施工会社の選定、工事監理までを一貫して請け負う方式 のことです。

多くの場合、管理会社が提携している、あるいはグループ内の建設会社が実際の工事を担当します。管理組合にとっては、日頃から付き合いのある管理会社が窓口となるため、非常に馴染みやすい進め方と言えるでしょう。

これとよく比較されるのが、設計事務所などの第三者機関にコンサルティングを依頼する「設計監理方式」です。

メリット:なぜ「管理会社方式」は選ばれるのか?

管理会社方式がマンションで採用されるのには、明確な理由があります。

管理組合の負担が圧倒的に少ない
これが最大のメリットです。建物診断から修繕計画の立案、業者選定、総会資料の作成、住民への説明、工事中の窓口業務まで、専門的で非常に手間のかかる作業の多くを管理会社が代行してくれます。ボランティアで運営されることが多い理事会や修繕委員会にとって、この負担軽減は非常に魅力的です。

連携がスムーズで話が早い
日頃から建物のことをよく知る管理会社が主導するため、意思疎通がスムーズです。過去の修繕履歴や住民からのクレーム履歴などを把握しているため、現状に即した計画を立てやすいという利点もあります。

ワンストップで完結する手軽さ
相談から工事完了まで窓口が一つで済むため、管理組合としては「どこに何を頼めばいいのか分からない」という状態に陥りにくいです。

デメリット:知っておくべき注意点とリスク

手軽で魅力的に見える一方、管理会社方式には慎重に検討すべきデメリットも存在します。

工事費用が割高になる傾向がある
管理会社が元請けとなり、実際の工事を下請けの建設会社に発注する構造上、中間マージンや紹介料が発生し、工事費が割高になる 可能性があります。また、競争原理が働きにくく、価格が適正かどうかが見えにくいという側面もあります。

第三者性・客観性に欠ける可能性がある
管理会社と施工会社がグループ企業である場合など、利益相反の関係が生まれる可能性があります。「本当に必要な工事か」よりも「利益の出る工事か」が優先されるリスクはゼロではありません。工事の品質をチェックする「監理」も、身内で行うことになるため、チェック機能が甘くなる懸念も指摘されています。

費用の内訳が不透明になりやすい
提出される見積書が、コンサルティング料と工事費が一体となった「一式見積もり」で提出されることがあり、個々の費用の妥当性を判断しにくい場合があります。

施工会社の選択肢が限られる
管理会社が紹介する数社の中からしか選べないケースが多く、より技術力や実績のある別の会社を選ぶ機会を失ってしまう可能性があります。

【早わかり】管理会社方式 vs 設計監理方式 比較表

比較項目 管理会社施工方式 設計監理方式 責任施工方式
体制の概要 管理会社が窓口となり、提携・関連の施工会社が工事を行う。 管理組合が設計事務所と施工会社を別々に契約。設計事務所が第三者として工事を監理する。 管理組合が施工会社と直接契約。設計から施工まで一任する。
工事費 中間マージン等で割高になる傾向がある。 競争入札により、適正価格になりやすい。 業者による。相見積もりを取らないと割高になるリスクがある。
組合の負担
窓口が一本化され、手間が少ない。

業者選定や合意形成など、組合が主体的に動く必要がある。

監理を組合自身が行うため、専門知識がないと負担が大きい。
透明性・客観性
価格や仕様の妥当性が見えにくい場合がある。

第三者の専門家がチェックするため、非常に高い。

組合と施工会社の関係性によるが、第三者のチェックはない。
品質確保 管理会社と施工会社によるチェック。 第三者(設計事務所)が厳しく監理するため、品質を確保しやすい。 施工会社の自主的な品質管理に依存する部分が大きい。
主なメリット ・組合の手間が少ない
・窓口が一本で手軽
・価格の適正化が図れる
・品質が確保されやすい
・契約関係がシンプル
主なデメリット ・費用が割高になる可能性
・利益相反の懸念
・組合の負担が大きい
・コンサルタント選びが重要
・組合に専門知識が必要
・品質や価格の妥当性判断が難しい
向いているケース ・組合に人手や時間がない
・信頼できる管理会社である
・コストと品質を両立したい
・組合の活動が活発である
・小規模な修繕工事
・組合に建築の専門家がいる

「管理会社方式」を採用する場合の賢い進め方

メリット・デメリットを理解した上で、それでも管理会社方式の負担軽減メリットを重視したい、という管理組合も多いでしょう。その場合は、以下のポイントを必ず押さえて「丸投げ」にしないことが成功の鍵です。

  1. 必ず「相見積もり」を取得する
    管理会社からの提案だけでなく、管理組合が独自に他の施工会社からも見積もりを取得し、比較検討しましょう。これにより価格の適正化が期待できます。
  2. 費用の内訳を明確にしてもらう
    「工事一式」ではなく、「仮設工事」「塗装工事」「防水工事」「コンサルティング業務費」など、詳細な内訳が記載された見積書の提出を求め、内容を厳しくチェックしましょう。
  3. 第三者の専門家によるチェックを検討する
    管理会社から出された計画や見積もりが妥当か、マンション管理士や建築士などのセカンドオピニオンを求めるのも有効な手段です。
  4. 過去の実績を具体的に確認する
    その管理会社が手掛けた他のマンションでの修繕実績や、居住者からの評判などを具体的に確認させてもらいましょう。

まとめ:方式の特性を理解し、主体的な判断を

「管理会社方式」は、管理組合の負担を大きく減らしてくれる非常に便利な進め方です。日頃からの信頼関係があり、透明性の高い運営を約束してくれる管理会社であれば、強力なパートナーとなるでしょう。

しかし、その手軽さの裏には、コストや透明性の面でのリスクも存在します。

最も重要なのは、管理組合が主体性を持つこと です。「いつもお世話になっているから」と安易に丸投げするのではなく、他の方式の可能性も探りながら、自分たちのマンションにとって何が最善の選択なのかを、理事会・修繕委員会でじっくりと議論することをお勧めします。

この記事が、皆様の賢明なご判断の一助となれば幸いです。

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