2025.10.30
【完全ガイド】マンション大規模修繕工事の進め方|計画から完了までの7ステップを徹底解説
マンションの大規模修繕工事は、建物の資産価値を維持するために不可欠ですが、その進め方は複雑で、多くの管理組合様が不安を抱えています。本記事では、大規模修繕工事の計画準備から工事完了、そしてアフターメンテナンスに至るまでの全7ステップを、専門的な知識がない方にも分かりやすく解説します。
目次
- はじめに:大規模修繕工事、何から手をつければいい?
- 大規模修繕工事の全体像と成功へのロードマップ
- 【ステップ1】準備段階:修繕委員会の発足と情報収集(工事開始の1~2年前)
- 【ステップ2】パートナー選び:信頼できる専門家を見つける(工事開始の1年~1年半前)
- 【ステップ3】建物診断と修繕設計:工事の仕様を決める(工事開始の10ヶ月~1年前)
- 【ステップ4】施工会社の選定と契約:総会での合意形成(工事開始の6~9ヶ月前)
- 【ステップ5】工事準備:住民への説明と協力体制の構築(工事開始の1~3ヶ月前)
- 【ステップ6】工事着工から完了まで:安全と品質の確認
- 【ステップ7】未来へつなぐアフターメンテナンス
- まとめ:大規模修繕工事の成功は、信頼できるパートナーとの二人三脚で
はじめに:大規模修繕工事、何から手をつければいい?
マンションの管理組合の役員・理事に就任された皆様、「そろそろ大規模修繕の時期だが、何から手をつければ良いのか全くわからない…」「専門的なことばかりで、どこに相談すればいいのだろう?」といった不安やお悩みを抱えていらっしゃいませんか?
大規模修繕工事は、10数年に一度の大きなイベントであり、建物の寿命を延ばし、住民の皆様の快適な暮らしと資産価値を守るために非常に重要です。しかし、そのプロセスは長期間にわたり、専門的な判断が求められる場面も少なくありません。
ご安心ください。この記事では、そんな皆様の不安を解消するため、大規模修繕工事の計画から完了までの具体的な「進め方」を、7つのステップに分けて分かりやすく解説していきます。この記事を最後までお読みいただければ、理事として自信を持って大規模修繕工事プロジェクトを推進できるようになるはずです。
大規模修繕工事の全体像と成功へのロードマップ
大規模修繕工事は、思いつきで始められるものではありません。一般的に、 準備段階から工事完了まで2〜3年程度の期間 を要します。まずは、工事全体の流れを把握することが、成功への第一歩です。
【大規模修繕工事の進め方 全体像】
- ステップ1:準備段階 (工事開始の1~2年前)
- ステップ2:パートナー選び (工事開始の1年~1年半前)
- ステップ3:建物診断と修繕設計 (工事開始の10ヶ月~1年前)
- ステップ4:施工会社の選定と契約 (工事開始の6~9ヶ月前)
- ステップ5:工事準備 (工事開始の1~3ヶ月前)
- ステップ6:工事着工から完了まで
- ステップ7:アフターメンテナンス
このロードマップに沿って、各ステップで「誰が」「何を」「いつまでに行うべきか」を具体的に見ていきましょう。
【ステップ1】準備段階:修繕委員会の発足と情報収集(工事開始の1~2年前)
物語の始まりは、入念な準備から。この段階での取り組みが、プロジェクト全体の成否を左右すると言っても過言ではありません。
- 修繕委員会の立ち上げ
理事会だけで大規模修繕のすべてを担うのは非常に困難です。まずは、大規模修繕工事を専門に検討・推進する「修繕委員会」を立ち上げることをお勧めします。建築関係の知識を持つ組合員や、過去の修繕経験者に参加を呼びかけると、よりスムーズな運営が期待できます。
- 長期修繕計画の確認と見直し
多くのマンションでは、新築時に「長期修繕計画」が作成されています。まずはこの計画書を確認し、
- 計画されている工事時期は妥当か?
- 計画されている工事項目に過不足はないか?
- 修繕積立金は計画通りに積み立てられているか? などをチェックしましょう。計画と現状に乖離がある場合は、この段階で見直しを行います。
- 住民アンケートの実施
建物だけでなく、「住民がどこに不便を感じているか」を知ることも重要です。「バルコニーの防水が気になる」「廊下の汚れが目立つ」といった具体的な声を集めることで、修繕工事の優先順位を決めたり、計画にない項目を追加したりする際の貴重な判断材料となります。
【ステップ2】パートナー選び:信頼できる専門家を見つける(工事開始の1年~1年半前)
大規模修繕工事という長い航海を乗り切るためには、信頼できるパートナー(専門家)の存在が不可欠です。
- 工事の方式を理解する(設計監理方式と責任施工方式)
大規模修繕工事の進め方には、主に2つの方式があります。
- 設計監理方式: 設計事務所(コンサルタント)が設計と工事監理を行い、施工は別の施工会社が行う方式。第三者のチェック機能が働くメリットがあります。
- 責任施工方式: 施工会社が、調査診断から施工、アフターサービスまでを一貫して請け負う方式。窓口が一本化されるため、スムーズな進行が期待できます。
- 「責任施工方式」のメリットとは?
私たち関西塗研が採用している「責任施工方式」には、管理組合様にとって多くのメリットがあります。
- 意思疎通がスムーズ: 窓口が一本化されているため、ご要望や質問がダイレクトに伝わり、迅速な対応が可能です。
- コストの透明性: 設計と施工が一体となっているため、無駄なコストを省き、予算内での最適な提案がしやすくなります。
- 責任の所在が明確: 万が一、工事後に不具合が発生した場合も、責任の所在が明確で、迅速なアフターフォローが期待できます。
- 信頼できる施工会社の選び方
良い施工会社を選ぶためには、以下のポイントをチェックしましょう。
- 実績: 同規模・同タイプのマンションでの大規模修繕工事の実績が豊富か。
- 専門性: 建設業許可や技術者の資格(一級建築施工管理技士など)を保有しているか。
- 提案力: 管理組合の状況を理解し、専門的な視点から最適な提案をしてくれるか。
- 地元密着: 関西圏など、地元の事情に精通し、迅速な対応が期待できるか。
複数の会社から話を聞き、じっくり比較検討することが重要です。
【ステップ3】建物診断と修繕設計:工事の仕様を決める(工事開始の10ヶ月~1年前)

パートナーが決まったら、次はいよいよ建物の健康診断です。
- 専門家による建物劣化診断
専門の技術者が、外壁のひび割れ、塗装の剥がれ、鉄部の錆、屋上の防水層の劣化などを、目視や打診、専用の機器を用いて詳細に調査します。この診断結果が、どのような工事がどこに必要なのかを判断する根拠となります。
- 診断結果に基づく修繕設計と仕様の決定
劣化診断の結果に基づき、施工会社から具体的な工事内容や使用する材料(塗料の種類など)の提案を受けます。管理組合としては、
- どこまで修繕するのか(工事範囲)
- どのような材料・工法で修繕するのか(仕様)
- 予算との兼ね合い などを検討し、工事の仕様を固めていきます。この段階で、専門家と十分にコミュニケーションを取ることが、満足のいく工事につながります。
【ステップ4】施工会社の選定と契約:総会での合意形成(工事開始の6~9ヶ月前)
工事の仕様が決まったら、最終的な施工会社を決定し、契約を結びます。
- 見積もりの取得と比較検討
確定した工事仕様書を基に、複数の施工会社から「見積書」を取得します。単に金額の安さだけで判断するのではなく、
- 見積もりの項目に漏れはないか
- 詳細な内訳が記載されているか
- 会社の信頼性や提案内容 などを総合的に比較検討することが重要です。
- プレゼンテーションと総会での決議
最終候補となる施工会社を数社に絞り込み、プレゼンテーションを行ってもらいます。組合員からの質疑応答の時間も設け、透明性の高いプロセスで施工会社を決定し、最終は臨時総会にて工事実施の決議を得ます。
- 工事請負契約の締結
総会で承認された施工会社と、正式に「工事請負契約」を締結します。契約書の内容は専門的ですので、専門家(施工会社や管理会社)に確認してもらいながら、細部までしっかりと目を通しましょう。
【ステップ5】工事準備:住民への説明と協力体制の構築(工事開始の1~3ヶ月前)

工事を円滑に進めるためには、住民の皆様のご理解とご協力が不可欠です。
- 工事説明会の開催
施工会社同席のもと、「工事説明会」を開催します。
- 工事の目的と概要
- 工事期間とスケジュール
- 洗濯物やバルコニーの使用制限
- 騒音や臭いについて
- 安全対策 などについて丁寧に説明し、質疑応答を通じて住民の不安を解消します。
- 工事中の生活に関する注意点のアナウンス
掲示板へのポスター掲示や、各戸へのチラシ配布などを通じて、工事に関する情報をこまめに発信し、住民の皆様への協力を呼びかけます。
【ステップ6】工事着工から完了まで:安全と品質の確認
いよいよ工事の開始です。この期間中は、管理組合として進捗と品質をしっかりと見守ります。
- 工事中の進捗確認と定例会議
月に1回程度、施工会社、管理組合(修繕委員会)、管理会社などで「定例会議」を開き、工事の進捗状況や課題、住民からの要望などを共有します。
- 完了検査と手直し工事
全ての工事が完了したら、施工会社や専門家立ち会いのもと、契約書や仕様書通りに工事が行われているか「完了検査」を実施します。指摘事項があれば、手直し工事を依頼します。
- 竣工・引き渡し
手直し工事が完了し、全ての検査に合格したら、いよいよ「竣工・引き渡し」です。施工会社から保証書や工事記録などの関連書類を受け取ります。
【ステップ7】未来へつなぐアフターメンテナンス
工事が完了して終わりではありません。建物の美観と価値を長期間維持するためには、ここからの アフターメンテナンス が重要になります。
施工会社が発行する保証内容を確認し、定期的な点検を依頼しましょう。信頼できる施工会社であれば、工事後も長期にわたって良き相談相手となってくれるはずです。
10. まとめ:大規模修繕工事の成功は、信頼できるパートナーとの二人三脚で
マンションの大規模修繕工事の進め方について、7つのステップで解説してきました。
- 準備段階: 修繕委員会を立ち上げ、長期修繕計画を確認する。
- パートナー選び: 信頼できる施工会社を見つける。
- 建物診断と修繕設計: 建物の状態を正確に把握し、工事内容を決める。
- 施工会社の選定と契約: 総会で合意形成を図り、正式に契約する。
- 工事準備: 住民への丁寧な説明で協力体制を築く。
- 工事着工から完了まで: 安全と品質を管理する。
- アフターメンテナンス: 工事後も建物の状態を見守る。
多くの専門的な判断が求められる大規模修繕工事を成功させる最大の鍵は、「最初から最後まで安心して任せられる、信頼できるパートナーを見つけること」です。
関西圏で大規模修繕工事をご検討中の管理組合様、進め方について少しでもご不安な点がございましたら、ぜひ一度、 関西塗研 にご相談ください。調査診断から施工、アフターフォローまで一貫してサポートする「責任施工方式」で、皆様の大切な資産を守るお手伝いをさせていただきます。
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大規模修繕工事に関することであればどんな些細なことでも構いません。安心・安全な施工業者を正しく選定するためにも、まずはお問い合わせいただき、不安事項を解消していただければと思います。


